医療介護連携による成果を把握するためのアンケート結果報告
1.調査目的
医療介護連携の成果が分からないという課題に対して、医療介護連携による成果を把握するためのアンケートを実施して現状等を把握・分析し、今後の事業計画策定に向けて必要となる基礎資料とする。
2.調査概要
医療介護連携による成果を把握するための調査を隔年実施するもので、令和元年度に初回実施したもの。
調査はアンケート形式にて行う。
3.調査設計
- 調査対象:
医師、歯科医師、薬剤師、訪問看護、地域医療連携室、訪問リハビリ、通所リハビリ、ケアマネジャー(居宅介護支援事業所、地域包括支援センター)、訪問介護、通所介護、高齢者施設等 事業所で1枚回答。ケアマネジャーについては1名につき1枚回答とする。 - 調査票:
医療職用と介護職用の2種類作成 - 調査期間:
令和4年3月25日(金曜日)から令和4年4月28日(木曜日)まで
4.結果
回収率:医療職33.4%、介護職42.2%
連携をとりやすい職種(意見の多い順で5つ記載)
【医療職】
- ケアマネジャー(居宅)
- ケアマネジャー(包括)
- 医師
- 看護師
- 地域医療連携室
連携をとりにくい職種(意見の多い順で5つ記載)
【医療職】
- 歯科医師
- 訪問介護
- 施設介護職
- 医師
- 薬剤師
【介護職】
- 医師
- 歯科医師
- 薬剤師
- リハビリ職
- 看護師
連携がとりにくい理由(抜粋)(カッコ内はどの職種に対するものかを表しています。)
<医療職>
- 人にもよるが動きが見えにくかったり、連携が弱いと感じる人が多い。(包括ケアマネージャー)
- 関わりがないため、どのように連携を取ればよいか分からない。(歯科医師・リハビリ職)
- 時間の都合が合わない時が多く、気を使う。(医師・包括ケアマネージャー・施設介護職)
- かかわっている方がわからない。窓口(連絡先)がわからない。(リハビリ職・地域連携室・ヘルパー)
- ヘルパーは担当者と連絡が取れない。訪問歯科はMCSに入っていない。(歯科医師・ヘルパー・施設介護職)
<介護職>
- 総合病院は診察日が限られる。待ち時間が長く日程調整困難。情報提供量少ない。(医師・包括ケアマネージャー)
- 医療連携室がない病院は連携が取りにくい。(医師)
- 医師や看護師が介護保険の事を理解していない。(医師・看護師)
- 居宅内で解決する様にと言われているので、相談しにくいし連携も取りにくい。(包括ケアマネージャー)
医療職は介護職と、介護職は医療職との情報連携に時間と手間がかかっていますか?
【医療職】
- 「そう思う」「少しそう思う」で49%
- 「あまり思わない」36%
- 「思わない」10%
【介護職】
- 「そう思う」「少しそう思う」で65%
- 「あまり思わない」30%
- 「思わない」3%
医療と介護の連携によって、仕事の効率が良くなり、やりがいにつながっていると感じますか?
【医療職】
- 「そう思う」「少しそう思う」で75%
- 「あまり思わない」12%
- 「思わない」6%
【介護職】
- 「そう思う」「少しそう思う」で81%
- 「あまり思わない」14%
- 「思わない」2%
以前に比べ遠賀中間地域の医療と介護の連携はよくなったと感じますか?
【医療職】
- 「そう思う」「少しそう思う」で62%
- 「あまり思わない」17%
- 「思わない」7%
【介護職】
- 「そう思う」「少しそう思う」で65%
- 「あまり思わない」22%
- 「思わない」5%
以前に比べ遠賀中間地域の医療と介護の連携はよくなったと感じますか?その理由(抜粋)
【医療職】
- 地域連携室の役割が大きいと思う。
- 付き合いが長くなれば、連携は良くなると思います。
- 担当者会議や研修会で顔を合わせることで、少しずつ連携しやすくなっていると感じる。また、各々が連携の大事さを実感し、積極的に対話しているのではないかと思う。
- ツールが統一されているため、必要最低限の情報収集が行えています。
- 連携が悪いというわけではなく以前とあまり変化を感じない。こちらの問題であると思うが。
- MCSを使っている所とは、連携しやすくなった。MCSはコロナの世の中では役立つ。
- 介護事業所との相互理解は得られやすくなってきたが、一緒にチームを組んだことがある等、信頼関係の上積みによる影響が大きい印象。依然として訪問リハビリや訪問看護の利用については腰が重い(ケアマネージャーからの理解は得られやすくはなってきたが、特に訪問リハビリは広域連合からの理解が非常に得られにくい)。かかりつけ医との連携はほとんど行えていない。
- 少しづつ顔が見えるようになってきた。
【介護職】
- 医療との連携はケアマネージャーがほぼ行っており、ケアマネージャーによってばらつきがある。
- 医師やリハビリ職と連携することで課題が見つかり、プラン作成に役立っている。
- ソーシャルワーカーとの連携が以前よりよくなったと思います。
- 共有シートを活用し、入院時から連携をとり退院調整しやすくなっている。
- 介護保険に関して協力していただける先生が増えた。
- 以前と比べて大きく変わりはない。
- 地域の病院では理解が深まり連携が取り易くなった。MCSの活用で常時情報共有が可能になった。
- 医療と連携すれば、情報の共有もでき、良い支援につながり、やりがいにつながると思う。
今後の在宅医療介護の連携に向けた取り組みに対する意見(抜粋)
【医療職】
- どのような仕事でも「連携」は難しいこと。顔見知りの図れる連携が最も有効と思います。
- 診療報酬からも医療と介護の連携の重要性が示されているので、より連携がとりやすい統一の決まりが遠賀中間地域で構築できるとどの医療機関もメリットがあると思います。例)介護支援連携指導、入退院支援加算
- 事業所と行政(各役場の介護保険課や広域連合など)との接点が少なすぎる。各町の介護保険課や広域連合は地域包括ケアシステムの構築をどのように考え、現在どのような取り組みをしているのか、介護保険の各事業所に対し何を求めているのか等の話を聞いてみたい。
【介護職】
- 地域における介護サービスが不足していると感じることがある。行政を含め、地域のサービスについて検討が行えれば良いと思います。
- ケアマネージャーの会議、研修会等に医療職も参加してもらい、地域の実情、問題を共有する。
- 医療ともっとスムーズに連携を取りたいが、MCSやメール等の活用は事業所によって対応できる所とできない所とあるので、電話やファクスが主になってしまう。
- 地域の居場所づくり、行政、医療、介護、住民との一体的な取組み。
- 資源情報助かります。今後も活用させていただきます。
アンケート結果
- 令和3年度連携成果把握アンケート設問(医療職用、介護職用)(PDF:540KB)
- 令和3年度連携成果把握アンケート集計結果(医療職、介護職)(PDF:1250KB)
- 令和3年度連携成果把握アンケート前回との比較データ(PDF:720KB)
医療・介護サービスの過不足、訪問診療、レスパイト入院についてのアンケート結果報告
1.調査目的
遠賀中間地域における介護サービス事業所の利用状況や需要見込み、訪問診療とレスパイト入院についての現状等を把握・分析し、今後の事業計画策定に向けて必要となる基礎資料を得ること。
2.調査概要
遠賀中間地域の医療・介護サービス供給量の過不足、訪問診療、レスパイト入院についての調査をアンケート形式にて行う。
3.調査設計
- 調査対象:遠賀中間地域の居宅介護支援事業所及び地域包括支援センターのケアマネジャー
- 調査期間:令和4年2月10日(木曜日)から2月25日(金曜日)まで
4.結果
- 事業所回収率77%(37/48)
- 回答者数(ケアマネジャー):109名
【医療・介護サービスの過不足について】
ケアプランを作成する上でサービス種別毎の過不足についてどのように感じていますか?
⇒認知症対応型通所介護、訪問介護、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護が不足していると回答する割合が高い。在宅療養支援のためには、多職種連携によるチームケアが不可欠であり、利用者側からみて一体的なサービス提供体制の構築は、地域での生活を希望する住民の安心感に繋がるとされている。小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の地域密着型サービスは、一体的な提供体制を支える中核的サービス形態であり、認知症や夜間の排泄等介護者が不安に感じる要素と関連深いサービスとなる。介護必要度が高い方の在宅療養に必要なサービスについて現場では不足を感じている。
「とても不足」していると感じているサービス名とその地域
⇒各地域とも、認知症対応型通所介護、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護について不足していると感じている。一方、訪問薬剤、通所介護(認知症対応型以外)、訪問看護、老人ホーム等
(特定施設以外)、福祉用具貸与・販売については不足しているとの回答は比較的少ない。
将来、どの分野に利用者の需要が増えていくと考えてますか?
⇒訪問診療、訪問薬剤、訪問看護の需要が増えていくとの意見が多い。
特養に入所申請しながら、連続した短期入所の利用により入所待機している利用者はいますか?
⇒「いる」28% 「いない」70% 無回答2%
【訪問診療について】
訪問診療が必要と思われる方はいますか?
⇒「いる」72% 「いない」27% 無回答1%
訪問診療が必要な人に訪問診療が十分に行われている思いますか?
⇒「ある程度行われている」「十分行われている」の合計92% その他8%
訪問診療を担う医師は見つかりますか?
⇒「概ねすぐ見つかる」58% 「時間がかかっても何とか見つかる」32% 「見つからず他の方法となる場合あり」8% 無回答2%
今後、遠賀中間地域で訪問診療の需要は増えると思いますか?
⇒「非常に思う」「思う」の合計89% 「あまり思わない」11%
【レスパイト入院について】
レスパイト入院を希望されるケースはどの程度ありますか?
⇒「ほとんどない」「半年に1回程度」の合計77% 「3カ月に1回程度」18% その他5%
注意:「ほとんどない」と答えたケースが半数近くになる。
今後、遠賀中間地域でレスパイト入院の需要は増えると思いますか?
⇒「非常に思う」「思う」の合計89%
レスパイト入院先は見つかりますか?
⇒「概ねすぐ見つかる」「時間がかかっても何とか見つかる」の合計45% 「見つからず他の方法となる場合あり」45%
担当する利用者にレスパイト入院を提案したことがありますか?
⇒「ある」75% 「ない」25%
「提案したことがある」と答えた方、主にどこに相談しますか?
⇒「直接医療機関に連絡」47% 「かかりつけ医」33% その他19%
アンケート結果
令和3年度 医療介護サービスの不足・訪問診療・レスパイト入院アンケート(PDF:716KB)
令和3年度 情報共有シートアンケート結果
実施趣旨
医療・介護関係者間の連携不足という課題に対して、利用実態を把握するとともに情報共有シートの周知と利用促進を図る目的でアンケートを実施した。
調査期間
令和4年1月7日から令和4年1月28日
対象
居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、地域医療連携室、訪問看護ステーション
結果
【居宅介護支援事業所】回収率76%
- 「入退院時情報共有シート」を統一し活用していることについて
知っている:89% 知らなかった:11% - 「入院時情報共有シート」の送付について
全ケース送付:35% 概ね送付:57% 半分程度送付:3% あまり送付していない:5% - 「統一書式」の使用について
統一書式を使用している:86% 統一書式以外を使用している:14%
<シートの運用やその他意見>
・統一書式に入力しなおすのは時間的に余裕がなく業務の負担となるため不使用。
・保険者から加算を取るには内容不足と指摘があったと聞いたが実際どうなのか。
・広域連合のヒアリングで、厚労省の書式に準じるものにした方がいいと指摘された。
・現病歴、既往歴の欄がもう少し大きい方がよい。文字を大きくしたい。その他も項目分けし、チェック形式で簡潔に入力できると良い。 - 「退院時情報共有シート」による情報提供の有無について
全ケースある:5% 概ねある:19% 半分くらい:5% あまりない:33% ほとんどない:35%
【地域包括支援センター】回収率100%
- 「入退院時情報共有シート」を統一し活用していることについて
知っている:5/5(知らなかったと答えた方が5人中2人の自治体あり) - 「入院時情報共有シート」の送付について
自治体A:全ケースに実施
自治体B:概ね実施
自治体C:概ね実施
自治体D:概ね実施(1)、半分程度(1)、あまり実施していない(2)
自治体E:全ケースに実施(1)、概ね実施(2)、あまり実施していない(2)
<送付に至らなかった理由>
- 医療機関からいると言われなかったから
- 要支援は、病院は加算が取れるがこちらは取れないから
- 電話のやり取りで十分だから
- 「統一書式」の使用について
統一書式を使用している:4/5(統一書式を使用1人、統一書式以外4人の自治体あり)<シートの運用やその他意見>
- 基本情報、プラン等の提供を行っている。情報共有シートに記入する時間がない。
- 「退院時情報共有シート」による情報提供の有無について
自治体A:概ねある
自治体B:ほとんどない
自治体C:ほとんどない
自治体D:概ねある(2)、ほとんどない(2)
自治体E:概ねある(2)、あまりない(1)、ほとんどない(2)
【地域医療連携室】回収率60%
- 「入退院時情報共有シート」「訪問看護要約」を統一し活用していることについて
知っている:100% - 「退院時情報共有シート」の送付について
全ケース送付:17% 概ね送付:33% 半分程度送付:33% あまり送付していない:17%
<送付に至らなかった理由>
- 短期間の入院や変化のない場合、入院時情報提供がなければ送付しないケースあり
- ENT前カンファレンス時にのみ情報共有シートでの情報提供を行う。他は、口頭での情報提供を入院時に連携が取れた場合に行っている。
- 全ての利用者には連携室が介入していない。人員が充実したらより連携が取れるが。
- 「統一書式」の使用について
統一書式を使用している:40% 統一書式以外を使用している:60%
<退院時情報共有シートへの意見>
- ・内容が不十分、又はスペースが小さく記入しづらい。
- 「入院時情報共有シート」による情報提供の有無につい
概ねある:33% 半分程度:17% あまりない:33% ほとんどない:17%
<入院時情報共有シートやその他の意見>
- ほとんどの事業所から情報提供あるが、それぞれの書式でいただくことが多い。
- 生活状況が見えづらくケアマネによって情報がまちまち。ADLの詳細がチェックボックス式になっているが、詳細が分かるようにしてほしい。
- 「訪問看護要約」による情報提供の有無について
概ねある:60% あまりない:40%
【訪問看護ステーション】回収率54%
- 「入退院時情報共有シート」「訪問看護要約」を統一し活用していることについて
知っている:71% 知らなかった:29% - 「訪問看護要約」の送付について
全ケース送付:14% 概ね送付:57% 半分程度送付:29%
<送付に至らなかった理由>
- 医療機関側より不要との意見あり。
- 多忙なため。
- 「統一書式」の使用について
統一書式を使用している:57% 統一書式以外を使用している:43% - 「退院時情報共有シート」による情報提供の有無につい
概ねある:72% あまりない:14% 全くない:14%
アンケート結果
- 居宅介護支援事業所(令和4年1月)(PDF:424KB)
- 地域医療連携室(令和4年1月)(PDF:128KB)
- 地域包括支援センター(令和4年1月)(PDF:155KB)
- 訪問看護ステーション(令和4年1月)(PDF:109KB)
メディカルケアステーション(MCS)に関するアンケート調査
調査目的
遠賀中間地域におけるメディカルケアステーション(MCS)の利用状況を調査する。
今後の在宅医療・介護連携推進についての取り組みにおける基礎資料とする。
調査概要
アンケート形式にて行う。
調査対象
遠賀中間地域の訪問看護ステーション(看護師、リハビリ職、事務職など)
調査期間
令和3年12月7日から12月15日
回収結果
事業所回答率:54%(7事業所/13事業所)
アンケート結果
MCSアンケート 訪問看護ステーション(PDF:366KB)
高齢者等施設における看取りへの取り組みについてのアンケート調査
調査目的
遠賀中間地域の高齢者等施設における看取りについての状況を調査する。
在宅医療・介護連携推進について、今後の取り組みにおける基礎資料とする。
調査概要
アンケート形式にて行う。
調査対象
遠賀中間地域の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、特定施設、グループホーム、小規模多機能型居宅介護 等
調査期間(再調査期間あり)
令和3年8月23日から9月15日
(再調査期間)9月24日から10月8日
回収結果(最終結果)
回収率:76%(70/92)